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弁護士法人Martial Arts【第一東京弁護士会所属】代表弁護士 堀 撤兵

受託者

受託者

受託者の能力

未成年者、成年被後見人および被保佐人は、受託者になれないと定められています(信託法7条)。つまり、これらに該当しない個人は誰でも受託者になることができます。また法人に関しては、受託者になることを制限する規定はありません。

受託者の権限

受託者の権限は下記の通り定められています。

・受託者は、信託財産に属する財産の管理又は処分及びその他の信託の目的の達成のために必要な行為をする権限を有する。ただし、信託行為によりその権限に制限を加えることを妨げない。(信託法26条)

・受託者は、信託事務を処理するのに必要と認められる費用を固有財産から支出した場合には、信託財産から当該費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を受けることができる。(信託法48条1項本文)

・受託者は、信託財産責任負担債務を固有財産をもって弁済した場合、当該信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者に代位する。(信託法50条1項)

・受託者は、信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けるのに信託財産が不足している場合において、委託者及び受益者に対し次に掲げる事項を通知し、第二号の相当の期間を経過しても委託者又は受益者から費用等の償還又は費用の前払を受けなかったときは、信託を終了させることができる。(信託法52条1項)

一 信託財産が不足しているため費用等の償還又は費用の前払を受けることができない旨

二 受託者の定める相当の期間内に委託者又は受益者から費用等の償還又は費用の前払を受けないときは、信託を終了させる旨

・受託者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める損害の額について、信託財産からその賠償を受けることができる。(信託法53条1項)

一 受託者が信託事務を処理するため自己に過失なく損害を受けた場合当該損害の額

二 受託者が信託事務を処理するため第三者の故意又は過失によって損害を受けた場合(前号に掲げる場合を除く。)当該第三者に対し賠償を請求することができる額

・受託者は、信託の引受けについて、信託行為に受託者が信託財産から信託報酬を受ける旨の定めがある場合に限り、信託財産から信託報酬を受けることができる。(信託法54条1項)。

(3)受託者の義務

(2)でみたように、受託者には信託財産について排他的な権限が認められているため、その権限が濫用されて受益者の利益が害されないよう、受託者にはさまざまな義務と責任が課されています。受託者の義務の最も基本的なものとして、以下の3点が挙げられます。

・善管注意義務
受託者は、信託事務を処理するに当たっては、善良な管理者の注意をもって、これをしなければならない。(信託法29条2項本文)
・忠実義務
受託者は、受益者のため忠実に信託事務の処理その他の行為をしなければならない。(信託法30条)
・分別管理義務
受託者は、信託財産に属する財産と固有財産及び他の信託の信託財産に属する財産とを、分別して管理しなければならない。(信託法34条1項本文)

このほか受託者が負うべき義務・責任について、以下のように定められています。

・信託事務の処理の委託における第三者の選任及び監督に関する義務
信託事務の処理を第三者に委託するときは、受託者は、信託の目的に照らして適切な者に委託しなければならない。また、受託者は、当該第三者に対し、信託の目的の達成のために必要かつ適切な監督を行わなければならない。(信託法35条1項および2項)
・公平義務
受益者が二人以上ある信託においては、受託者は、受益者のために公平にその職務を行わなければならない。(信託法33条)
・帳簿等の作成等、報告及び保存の義務等
受託者は、信託財産に係る帳簿その他の書類を作成しなければならない。受託者は、毎年一回、一定の時期に、貸借対照表、損益計算書その他の書類を作成し、その内容について受益者に報告しなければならない。さらに、信託に関する書類は一定期間保存しなければならない。そして、受益者の請求に応じて閲覧させなければならない。(信託法37条1項ないし6項、38条1項及び2項)
・損失てん補責任等
受託者がその任務を怠ったことによって、信託財産に損失が生じた場合または信託財産に変更が生じた場合、受益者の請求により、受託者は損失のてん補または原状の回復の責任を負う。(信託法40条1項)

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