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弁護士法人Martial Arts【第一東京弁護士会所属】代表弁護士 堀 撤兵

五大効果

家族信託の5大効果

 そもそも家族信託にはどのような効果があるのでしょうか?家族信託を使うこと自体は目的ではなく、あくまで以下の5つの効果を狙って家族信託を活用することになります。

凍結防止効果

 民法の大原則として、意思能力のない者のした意思表示は無効です。そうしますと、例えば、不動産を所有している人が認知症を発症した段階で、不動産を売却しようとしても、有効に売買契約を締結することはできません。そこで、多くの場合、成年後見制度が利用されるのですが、成年後見制度はあくまで本人の誤った判断を阻止して本人の財産を保護する制度ですので、あえて不動産を売却する積極的な理由がないと売却はできません(成年後見人が売却に応じなかったり、家庭裁判所が許可しないということはよくあります)。認知症になる前の本人の意思は、タイミングよく不動産を売却したいというものである場合でも、その意思は尊重されません。不動産を売却して得た資金で、自らの特養老人ホームの入居費用に充てようと思っていても、不動産は売却できません。本人が亡くなって相続人に引き継がれるまでは、不動産は塩漬けとなります。まさに、財産の凍結です。

 この点、家族信託を用いれば、不動産の売却権限をあらかじめ受託者に移行させるので(権限移譲機能)、本人がその後に認知症等で意思無能力者となっても、問題なく不動産の売却をすることができます。

 このように、家族信託には、財産が凍結するのを防止する効果があるのです。

トラブル防止効果

 相続をきっかけとして親族間でトラブルが起こることはよくあります。不動産を複数の相続人で相続すると共有になり、管理や処分行為が制約されてトラブルの原因になりやすいため、不動産の共有はなるべく避けたいところです。現物分割や換価分割を試みたとしても、親族間の合意が得られなければ共有は避けられません。

 この点、家族信託を使えば、受託者に権限が集中するため(権限移譲機能)、管理・処分行為をスムーズに進められます。

 このように、家族信託には相続人間のトラブルを防止する効果があるのです。

相続円滑化効果

 遺言の有無にかかわらず、相続が発生した時点ですぐに被相続人の預貯金を引き出せるわけではありません。金融機関によっては、遺言があっても、各種書類がそろうまでは預金の引き出しに一切応じていないのです。このような状況では、被相続人の葬儀費用や、残された配偶者・生活保護を要する相続人の資金需要に応えられません。

 この点、家族信託を使えば、相続開始前に当該信託財産について受託者に名義移転しておくため(権限移譲機能)、受益者の変更以外の手続きは不要で、相続人の資金需要に円滑に応えられます。

 このように、家族信託には相続人の急ぎの費用捻出など、相続手続を円滑にする効果があるのです。

意思尊重効果

 自分の財産を相続した相続人が将来亡くなったとき、誰にどのようにその財産を承継させるのかということまでは、自分の遺言で指定することはできません。しかし、自分の財産について、子や孫の世代まで、二次的三次的に承継先を指定したいと望むこともあります。

 この点、家族信託を使えば、受益者連続型信託契約を締結できる旨、平成18年に改正された信託法で定められていますので(委託者意思絶対化機能、信託法91条)、上記のような被相続人の意思を尊重して財産の承継先を指定することができます。

 このように、家族信託には被相続人の意思を尊重する効果があるのです。

節税効果

 相続税を節税する目的で、高額の不動産を生前贈与すると、多額の贈与税が課されます。一方、自分が亡くなるまで不動産の名義を相続人に移さずにいると、多額の相続税が課されることになります。

 この点、家族信託を使えば、不動産を信託財産とし、その財産的価値である受益権を元本受益権と収益受益権に分けることができます(債権化機能)。そして、元本受益権のみを相続人に生前贈与すれば、不動産現物を贈与する場合よりも少額の贈与税で不動産の財産的価値を相続人に移転させ、結果として、相続税の負担を減らせる可能性があります。

 このように、家族信託には相続税の節税効果があるのです。

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