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弁護士法人Martial Arts【第一東京弁護士会所属】代表弁護士 堀 撤兵

活用事例⑤トラブル防止効果(不動産共有)

活用事例⑤トラブル防止効果(不動産共有)

大阪府在住の男性、Aさん

 Aさんは大阪府在住の男性であった。Aさんは、府内に駅から徒歩数分という好立地に土地を所有していたことから、不動産業者の勧めもあり、賃貸用のアパートを建てた。このアパートはその好立地という理由から常に満室で、土地建物を合わせた資産価値は1億円を下らないものであった。Aさんは、早くに妻を亡くしたものの、長男Bさん、長女Cさん、次女Dさんの3人の子がいた。
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3人の子は、みな結婚して、それぞれ円満な家庭を築いていた。Aさんの妻が早くに亡くなっていたこともあり、3人の子の結束は固く、定期的にそれぞれの孫を連れてAさんの自宅に集まるなどしており、家族関係は良好であった。

Aさんは、Bさん、Cさん、Dさん、いずれの子にも平等に財産を遺したいと考えていたものの、賃貸用アパートの建築費で財産を使い果たしてしまったため、預金残額は多くはなかった。Aさんは、この賃貸用アパートの価値が高いのに比べて、預貯金は多くないため、自分の相続のときにどのようにすればいいかを悩んでいた。

当時、アパートの管理を長男であるBさんに手伝ってもらっていた。しかし、相続により3人の共有になれば、修繕が必要なとき等に3人の意見がまとまらなかったりするなど、将来、3人の間でトラブルの元になると考えていた。とはいえ、このアパートを売却するのは、アパートへの思い入れに加え、収益の大きさや価値から比べて損であると考え、売却したくなかった。

そこで、Aさんは75歳のとき、Bさんには土地とアパートを相続させ、その他の財産である預貯金をCさんとDさんに半分ずつ相続させる旨の公正証書遺言を作成した。

その後Aさんは亡くなり、土地とアパートの価値は計1億1千万円で、Aさんの預金残高は1000万円であった。CさんとDさんは、Bさんが1億1千万円の価値のある遺産を相続し、自分たちが500万円ずつしか相続しないという遺言を父が遺していた事実に愕然とした。
兄であるBさんがアパートの管理の手伝いをしていたとはいえ、その相続財産の価値の格差があまりに大きいことから、CさんとDさんは弁護士のところに相談に行った。

そうしたところ、弁護士から、法定相続人には,遺言によっても侵し得ない「遺留分」という最低限度の遺産に対する取り分が確保されていることを聞いて、Bさんに対して、遺留分減殺請求をすることにした。

具体的にこの場合のCさん、Dさんの遺留分は、(1億1000万円+1000万円)×1/6=約2000万円であるので、受け取った500万円を引いて、1500万円ずつを、Bさんに請求した。Bさんにはそのような大金を用意するすべはなかった。

また、Bさんは、C、Dさんの弁護士と今後のアパートの収益の一部を支払うという交渉もしたが、父親の遺言に怒り心頭であったCさんDさんはこの提案に一切応じなかった。もはや、Bさんはアパートを売却するほかなかった。

兄妹3人は、父が大切にしていた優良な収益不動産を失ったうえ、長引いた交渉の末、兄妹の仲も険悪なものとなってしまった。

家族信託を活用すればこうなる
  • →委託者を相談者A、受託者を長男Bとし、
    相談者Aが所有するアパートと預金債権のうち1,000万円を信託財産として、
    受託者の長男Bにアパートについての所有名義と管理処分権を譲渡する!

    →第一次受益者は相談者A。
    長男Bがアパートの賃料収入などの利益から相談者Aの生活費を必要に応じて渡すこととなる。
    これにより相談者Aは、アパートの所有名義を長男Bに移したあとでも、
    同アパートの賃料収益により、安泰に暮らすことができる。
    そして長男Bは単独で、アパートの管理・処分行為を行うことができる!

    →相談者Aが亡くなったあとは、
    第二次受益者をB・C・Dと設定する。
    アパートの管理や処分権限はそのまま長男Bが有し、老朽化や運営状況に考慮し、修繕や建替等を単独で行うことができる!

    →第二次受益者の3人(B・C・D)が亡くなった後は、
    それぞれの子が受益権を取得するよう定めておく。
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