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弁護士法人Martial Arts【第一東京弁護士会所属】代表弁護士 堀 撤兵

活用事例③凍結防止効果(高度な専門判断を回避)

活用事例③凍結防止効果(高度な専門判断を回避)

相談者C(61歳)長年の間大手製薬会社に勤務し、現在は常務取締役

 相談者C(61歳)は、長年の間大手製薬会社に勤務し、現在は常務取締役である。最近彼の周辺では、友達の子どもの結婚話や、早ければ、孫の誕生を知らせてくれる友達さえ増えてきたが、相談者C自身は、これまで海外出張が多かったこと、婚期のタイミングを逸したこともあり、独身貴族を謳歌していた。これといった趣味もないことから、預金の額は、1億円を優に超えていた。昨今の情勢により銀行は超低金利が続き、預貯金も意味がないとは思うものの、資産運用や財テクの知識や経験はなく、今日に至っている。
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そんなある日、大学のサークルOB会に参加した相談者Cは、同期で仲のよかったEから、共同出資で不動産投資をしないかと声をかけられた。Eによれば、当該建物の建っている土地は都内でも指折りの高級地であり、価値として文句ないのだが、建物自体が、築60年を超えており、老朽化が甚だしい。部屋の作りは、ひと昔もふた昔も前の作りであり、若者の受けも悪く、思ったような賃料収入が上がっていないという。その賃借用ビルが1億5,000万円という破格の安値で売りに出ているという。このビルを購入して、リフォームもしくは建て替えを行えば、立地的に高い収益を見込める物件に生まれ変わるに違いないという話であった。土地の購入、リフォーム代金も含め、ある程度の資産が必要になると考えたEは、同期の中でも比較的資産に余裕のあるCに共同での出資を提案したのだった。

課題は、相談者CとE(以下「Cら」という)には資産はあるが、不動産運用に関する専門的な知識がないことだった。そこで、Cらは、証券会社を退職し、現在は不動産運用コンサルタント会社を経営する先輩D(63歳)に相談を持ち掛け、アドバイザー役を快諾してもらった。不動産を運用するうえで起こりうる細々した問題への対応をはじめ、できる限り煩わしいことを避けて通りたいCらにとって、Dの知識や経験は垂涎ものであり、資産の負担以外の運用を、すべてDに任してしまいたいというのが本音であった。

そこで、Cらはまず、資本を負担し、Dが実務を担うという形をとるべく、Q株式会社を設立することを提案した。Cらが株主、Dがその代表取締役となることにより、Dは、自身の知識や経験を元手にCらの出資金を活用し、当該ビルの購入からリフォームだけでなく、将来的には立ち退き交渉や建替えまでも進められることになる。

しかしこの場合、例えばビル購入時に不足する資金の融資を受けるためには、代表取締役であるDと銀行との連帯保証契約が不可欠となる。もともとDとしては、今回の話に関しては、知識や経験のアドバイスがメインとなると考えていたことから、形式的とはいえ、資金の負担には強い難色を示している。

そこで、Cらは検討を行い、Dの負担を避けるために、Q株式会社の代表取締役はEが務め、Dは同社の代理人として実務を行うという方法が検討された。

しかしこの方法も万能ではなく、意思決定が必要な局面や契約締結の都度、DはEから代理人としての選任や、了承を得なければならない。これではDの活動は遅々としてスムーズに進まない。そのうえ、Eにとっても煩雑な手続きが増えることになり、本来の目的が達成できない。

なにか良い方法はないだろうか。

家族信託を活用すればこうなる
  • →Q株式会社の代表取締役にはE(または相談者C)が就任する。

    →Q株式会社代表取締役EとDの間で、Q株式会社を委託者兼受益者、Dを受託者とし、Q株式会社の資産(Cらの出資した金銭、上記ビルを買い取った後は当該ビル)を信託財産とする信託契約を締結する!

    →実際の会社資産の運用(当該ビルの購入、リフォーム、個別の賃借人に対する立退き交渉、建替え工事請負契約等)はDが独自に行う!
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