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弁護士法人Martial Arts【第一東京弁護士会所属】代表弁護士 堀 撤兵

活用事例⑯節税効果(自社株の生前贈与)

活用事例⑯節税効果(自社株の生前贈与)

60歳男性、Aさん

Aさんは、60歳の男性である。

Aさんは、機械部品の製造・販売を手がける株式会社X(非公開会社。以下「X社」という)の代表取締役であり100%の株式をもつ株主であった。
Aさんの作る機械部品は、そのオーダーにきめ細やかに応じることと、確かな品質で人気を博しており、海外からの注文も多いことから、売り上げは好調であった。
平成28年時点で、X社株式の評価額は1株当たり約5万円であるが、今後さらに評価額が上がることが予想されるものであった。

Aさんには、一人息子のBさんがいた。
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Bさんは大学卒業後、一般企業の勤務を経て、Aさんの会社に入り、現在は取締役となっている。

Aさんは、会社をいずれ息子のBさんに継がせるつもりであった。
しかし、このまま株価が上がれば、Aさんが死亡して、Bさんに会社の株式すべてを相続させると、相続税が相当高額になることが予想された。
そこで、Aさんは現時点での相続税の価格を試算してみると、やはり株式の価値が相当あるとのことで、妻のCさんとBさんあわせて数千万円となることがわかった。

Aさんは、税理士と相談して、BさんにX社株式を、少しずつ生前贈与をしていくのが一番節税になるので、会社の株式を徐々にBさんに贈与していった。
しかし、株主としての身分を得て、会社の重要事項の決定に口を出せる機会が増えたBさんは、徐々にAさんの意向と反する経営方針を打ち出すようになった。
Aさんは、コツコツと信頼関係を築き上げていくタイプであったが、Bさんは新たな顧客開拓に夢中となっており、これまでのAさんの取引先を無下に扱うようになっていた。
Aさんからの「危ない取引はするな、これまでの顧客の信頼を失うな」という忠告にも耳を貸さなくなっていた。
そんな中、Bさんが開拓した業者のいくつかが、大量に納品したにもかかわらず、支払いを遅滞させ、X社は多額の売掛金を抱えることとなった。

順調に売り上げを伸ばしていたはずのX社は、突如、存続の危機に瀕してしまった。

家族信託を活用すればこうなる
  • →相談者Aを委託者兼第一次受益者、
    長男Bを受託者として、
    X社の全株式を信託財産とする信託契約を締結する。

    →信託契約締結により、株式の名義は長男Bに移転するが、
    受益権は相談者Aに残るため、この時点で贈与税は発生しない。
    信託期間中に、受益権を毎年段階的に長男Bに移転させていく。

    →受託者たる長男Bは、信託財産であるX社株式の名義人として、
    議決権行使を行う権限を有する。
    ただし、議決権行使は相談者Aの指図に従って行うことと定め、
    指図権者を相談者Aとしておく。

    →指図権は、行使しても良いし、
    しなくても良い。そこで、相談者Aは、
    長男Bに経営判断を委ねてよいと判断すれば、
    指図権の行使を見合わせることができる。
    また、任せてみたがやはり時期尚早だったという場合には、
    また指図権の行使を再開すればよい。
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