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弁護士法人Martial Arts【第一東京弁護士会所属】代表弁護士 堀 撤兵

活用事例⑬意思尊重効果(未成年者擁護型)

活用事例⑬意思尊重効果(未成年者擁護型)

45歳医師のAさん

※民法830条

Aさんは、45歳の医師であった。Aさんは、Bさんと結婚し、長年の不妊治療の末、3年前に子Cさんが誕生した。しかし、長年の不妊治療、および子が生まれたあとの教育方針の考え方の違いから、夫婦間の溝が広がり、AさんとBさんは離婚した。Cさんの親権は、Bさんが持つことになった。
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Aさんには預貯金1億円と、1億円の価値の自宅不動産があり、離婚後はその自宅不動産に一人で住んでいた。そんな折り、Aさんは、病院の健康診断においてがんが発見された。医師であるAさんは自分の余命が長くないことを悟り、子であるCさんに自分の財産を相続させたいと考えた。

しかし、3歳のCさんに相続させれば、一緒に暮らしているBさんがAさんの財産を思い通りに使うことは明らかであり、それは避けたいと思っていた。そうであれば、自分の姉のDさんはCさんを可愛がっているうえ、自分と教育観や価値観も一致しているうえ、同じ医師であり、経済的にも困っていないことから、Dさんにお金を預ける方がよっぽどいいのかのしれないと考えていた。

そこで、Aさんは、自分の死後、子Cのために適切に財産を管理するにはどうしたらいいのかを友人である弁護士に相談した。その弁護士は、Aさんに2つの方法を提案した。

1つ目の方法は、AさんとDさんで、死後委任契約を結ぶことである。Aさんの財産をDさんに預け、Aさんの死後は、Dさんが財産を管理しながら、Cさんの成長に合わせて必要な金銭を、定期的・継続的に給付するというものである。Aさんは、この方法がまさに自分の理想とするものと考えたが、弁護士によると、Aさんの死によって、相続人である子CさんがAさんの「Dさんへの委任した立場」をも相続するため、Bさんが幼いCさんの代理人として、Dさんとの死後委任契約を解除する可能性があるというのである。Bさんは、専業主婦であった際に、働いているDさんを快く思っていない節があったので、この話を聞くとAさんは大変不安となった。

2つ目の方法としては、民法830条(※)により、Aさんが子Cさんに相続させた財産を親権者のBさんに管理させず、他の管理者に管理をさせるようにするというものである。

Aさんは友人弁護士に、その管理者をDさんに指定すれば、万事が解決すると言ったが、他人であるうえ、結婚をしていて、自分の家庭も持っているDさんに財産を管理させて、本当に意に沿った財産管理ができるのかと、問いかけられ、不安になってしまった。

※民法830条

  1. 無償で子に財産を与える第三者が、親権を行う父又は母にこれを管理させない意思を表示したときは、その財産は、父又は母の管理に属しないものとする。
  2. 前項の財産につき父母が共に管理権を有しない場合において、第三者が管理者を指定しなかったときは、家庭裁判所は、子、その親族又は検察官の請求によって、その管理者を選任する。
家族信託を活用すればこうなる
  • →相談者Aを委託者、姉Dを受託者、
    子Cを受益者とする信託を、
    遺言により行うこととし、
    委託者の死亡時に信託の効力が発生するようにする。

    →姉Dは、子Cの進学や進級に応じて、
    信託財産から学費等を給付し、信託財産が段階的に子Cに承継されるようにする。

    →子Cが高度専門研究機関に進学することを想定し、
    信託終了時を子Cが26歳に達するまでとする。

    →長期間の信託事務を継続的に姉Dに担ってもらうため、
    信託報酬を姉Dに支給する。
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