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弁護士法人Martial Arts【第一東京弁護士会所属】代表弁護士 堀 撤兵

活用事例⑪意思尊重効果(受益者連続型)

活用事例⑪意思尊重効果(受益者連続型)

都内のマンションに一等地を有する男性

 Aさんは、都内の一等地にマンションを有する男性である。Aさんには、前妻Bさんとの間に長男Cさんがいた。しかし、AさんはBさんとの婚姻中に、知り合ったDさんと恋愛関係になった。Dさんも、既婚者で、子であるEさんがいた。
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AさんとDさんは、相手の配偶者に慰謝料を払い、離婚をして一緒になった。AさんもDさんも高齢となったので、これまでの貯金をはたき、便利な都内のマンションを購入して、老後を楽しんでいた。Aさんは、自分の死後も、Dさんにこのマンションに住んでもらいたいと考えていた。

一方で、Dさんが亡くなったあとは、都内で働くCさんに、このマンションを遺したいと考えていた。しかし、Dさんにマンションを相続させてしまえば、Dさんが亡くなったあとは、Dさんの財産はEさんのところに行くことから、これは避けたいと考えていた。このような状況の中で、Aさんは、どうすればいいのかを、弁護士に相談に行った。

弁護士は2つの方法を提案した。ひとつは、Aさんから、Dさんにマンションを相続させ、Dさんに、死亡時にはCさんに遺贈してもらうやり方である。この方法で、Dさんに、Cさんにきちんと遺贈してもらうため、「妻Dの死亡時には実子Cに贈与する」ことを約束する負担付遺贈をするのである。もうひとつは、Dさんの死亡時に、このマンションをCさんに相続させるが、「妻Dが死亡するまで、このマンションに住まわせる」ことを負担とした負担付死因贈与または負担付遺贈をするというものである。

しかし、一つ目の方法は、Dさんがきちんと負担を履行してくれるのかいまひとつ心許ないうえに、DさんがマンションをCさんに遺贈をすることで、Dさんの財産のうち価値の高いマンションが、再婚相手の子であるCさんにいくことが納得できないEさんが遺留分減殺請求を行う可能性がある。遺留分減殺請求をされてしまえば、Cさんは、Eさんに遺留分相当額を支払わなければ、マンションの権利を得られないが、マンションの価値が高いことを考えると、遺留分相当額が高額となり、Cさんに支払いは難しいであろう。

2つ目の方法についても、Dさんが前妻の子であるCさんにマンションを遺贈することに不満を持ち、遺留分減殺請求をする可能性があるし、CさんとDさんはあくまで他人であるので、「住まわせる」といっても、そこにトラブルが生じる可能性が否定できない。結局、Aさんはどうしたらいいのか分からない。

家族信託を活用すればこうなる
  • →相談者Aを委託者兼第一次受益者、
    実子Cを受託者とし、
    当該土地建物および預貯金を信託財産とする信託契約を締結する。

    →相談者A(第一次受益者)が死亡した後も、妻Dがマンションを使用できるように、
    後妻Dに収益受益権(第二次受益権)を与える。

    →実子Cは、後妻Dに対する遺留分減殺請求を行使しうる立場であることから、
    当該請求を封じるために、
    第二次受益者として、当該土地建物の元本受益権を取得する。

    →後妻Dの死亡により、
    後妻Dの受益権は消滅し、第三次受益者として、
    実子Cが新たに信託不動産の収益受益権を取得する。
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