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弁護士法人Martial Arts【第一東京弁護士会所属】代表弁護士 堀 撤兵

活用事例①凍結防止効果(意思能力の欠缺に備えて)

具体的事例①凍結防止効果(意思能力の欠缺に備えて)

本人の意思能力に問題が生じたときこそ、限られた財産を有効活用するため、迅速かつ適切 な活動が求められます。このような場面における具体的事例をご紹介しましょう。

相談者A(78歳)一人暮らしをする年金生活者

相談者A(78歳)は、三重県の自宅で一人暮らしをする年金生活者。自分名義の預金は約 200万円である。長男(58歳)は京都府に、長女(49歳)は岐阜県に在住している。 5年前に死亡した妻の相続では、相談者Aが自宅土地建物(住宅ローンは完済済み。時価総額800万円相当)を単独で取得し、長男と長女が預貯金を2分の1ずつ取得した。
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大きな病気もなく暮らしてた相談者Aだったが、テレビのつけ方がわからない、近所の人に会っても名前が思い出せないと言ったことが何度かあったことから不安を覚えるようになる。しかし、長男も長女もそれぞれ離れた土地で家庭を持っており、自分のことで迷惑をかけるわけにはいかない。自ら特別養護老人ホームについて調べ始めた相談者Aは、医療面でのケアが手厚い老人ホームを見つけるに至り、いざという時にはここに入所したいと考えるようになった。だがこのホームは設備等が良い分、費用が割高で、入所時の頭金としてまとまった額が必要である。自分名義の預金では到底まかなえそうもない。そのため、入所することになった時には、自宅土地建物を売却することもやむを得ないと相談者Aは考えている。その一方で、自力で生活できる間は、愛着のある自宅から離れるつもりはない。
相談者Aは、こうした自分の要望を実現させるにはどうすればよいか相談するため、近隣の法律事務所を訪ねた。そこで任意後見契約の話を聞いたのだが、任意後見契約を締結しても、いざというときに任意後見人が活動を始めるには、家庭裁判所による任意後見監督人の選任を待つ必要があり、自宅の売却がスムーズに進められるとの確約はできないと言われてしまった。そして、どうしようかと悩んでいるうちに時間ばかりが過ぎていった。
その後2年が過ぎたころ、相談者Aは自宅で転倒し病院に運ばれ、これをきっかけに認知症が進行していることが発覚した。知らせを受け長男は長女と相談し、かねてから相談者Aが希望していた特別養護老人ホームへの入所を進めようと考えた。そして相談者Aの預金残高を確認したところ、ホームへの入所時に必要となる頭金には不十分であることがわかった。しかしながら、長男も長女もそれぞれの子供たちが大学受験期に差し掛かっており、相談者Aのために費用を捻出する余裕がない。そのため長男は、相談者Aの自宅を売却して費用を捻出しようと考えたのだが、自宅の所有者である相談者Aの意思能力に不安があることを理由に不動産会社は二の足を踏んでいる。そこで長男は医師とも相談し、仕事の合い間を縫って相談者Aの成年後見開始申立てを行った。そして3か月後、相談者Aには家庭裁判所の名簿から選ばれた地元の弁護士が成年後見人として付されることとなった。
このころには、転倒による骨折も治り、相談者Aはリハビリを始めていた。しかし、ようやく自宅の売却ができると長男が喜んだのもつかの間、成年後見人と家庭裁判所は、相談者Aの骨折は治癒したのだから、訪問介護等のサービスを活用すればまだ自宅での生活が可能であるなどとして、自宅の売却を進めてくれない。いったいいつになれば、相談者Aは希望していた特別養護老人ホームに入所できるのだろうか。

 

家族信託を活用すればこうなる
  • →相談者Aを委託者、長男(または長女)を受託者として、自宅土地建物を信託財産として、信託財産の名義を受託者に移す!

    →相談者Aが最終的に自宅で生活できなくなった段階で、長男(もしくは長女)が自宅土地建物を売却する!
    その時点での相談者Aの意思能力に関わらず、有効に売買契約が締結できる!

    →売却代金を特別養護老人ホームへの入所費用に充当する!
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